『真世界より』/itukamitaniji
『真世界より』
小さな舞台の端っこから 逆さまに落っこちて
縺れた糸を断ち切って 旅に出た操り人形
そして知ったのさ 自分が暮らしていた世界は
とてつもなく大きな世界の 一部に過ぎなかったって
何処まで行っても端が無い それが本当の世界だった
迷子と引き換えにして 自由を手に入れた
捨てられたんじゃない 自分から捨てたんだ
手の平で踊らされるのは 同じだって誰かが笑っても
手を伸ばしても触れられない 何にもない空間に
生身のまま 放り出された宇宙飛行士みたいに
上も下も分からない 足場も無くなって
星空を見下ろして 大地を見上げて漂っていた
時々懐
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