桜の花びらがお堀の水面に/和田カマリ
 
月の画像を水が
砂漠に変えて行く

死んだ花の血を
餌と間違えた
共食いの魚達
顔が潰れている

思い出が苔になる
城跡の石垣の中
眠っている
人々の化石は
緩慢に割れていく

見あげれば
青空の果て
静止軌道上から
サクラ
舞い散る

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