久しぶりに短い文章。/小池房枝
 
 バンペイユという果物がある。確か晩白柚と書いたと思う。最近ではスーパーでも売られている。要はでっかいザボンである。因みにザボンはでっかい蜜柑で、つまりはザボン、バンペイユともに柑橘である。食する機会には未だ恵まれていない。
 さてそのバンペイユだが、最近、近所のスーパーの見切り品コーナーで見かけ、感慨深いものがあった。そうか、これも普通のものになったか。しかして、それは「バンペイユ」ではなかったのである。なんとそれは「バンペイコ」であった。
 過去に沖縄で、紅玉というリンゴが「紅玉」ではなく「ベニタマ」として売られているのを見たことがある。それはそれでいい。そういうこともあろう。あったわけだし。だがそうか、バンペイコか。笑ってしまったが、話は続く。
 後日、同じスーパーで見切り品としてではなく普通にバーコード付きで売られていた晩白柚。バンペイコと打たれていたのでそうかやはりそういうことになってしまったかと思いきや、バンペイユもあったのである。バンペイユとバンペイコ混在、共存。グレープフルーツのように色が違いでもするものか、食する機会には未だ恵まれていない。

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