落差/HAL
 
きみは暫々それは知ってると言う
きみは暫々これは知ってると言う

きみが博識だということを
ぼくは否定する気はない

でもきみが饒舌に語る話を聞いていると
何か絵画のない額縁だけを聞いている想いを
ぼくはいつも抱いてしまう

それがなぜなのかをぼくは
今日まで解らなかった

でもふと気づいたんだ
知っていることと
解っていることは違うのだと

きみはほんとうに色々なことを
知っているし教えられる

でもきみは果たしてその知ってることを
自分なりに解っているんだろうか

ぼくを知っていても
ぼくを解っていることにはならない

愛を知っていても

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