越境の果てに/terada takeharu
 
砂漠の砂が風にまかれて
境界線を越えていく
海に捨てられたゴミが
国境を越えていく
静かに一歩も動くまいとしても
境界線を越えていく
誰にも気付かれまいと身を隠しても
境界線を越えていく
散々な目にあって嘲笑を受けても
俺は流浪の民だ

君が僕の領域に踏み込んでくる
無言でしかめっ面で愛想なく
視線は交わさない 口もきかない
空気が変わる 避けて通れない道
君が何を考えているのか僕にはわからない
以前はそんなことはなかったのに
混乱が 何かを僕に気付かせる
黙って君が通り過ぎるのを待つ僕だが
本当は 君と何かをしたいのだ

境界線は俺達に肉体がある限り消
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