fauna/鎖骨
明日への扉なんてものは全部
閉ざされてしまえばいいんだ
性欲を喚起するだけの流行は
穢らわしくてもう耐えられぬ
と彼女は日付変更線上で叫ぶ
何も知らないままでいたくて
早くして世間と隔たった二人
空想で出来た不可侵の宇宙へ
自らの意思で未来を捨てた事
むしろ誇らしく思えた白い掌
普通の生活一般的な社会活動
そういう全てが煩わしかった
一抹の理性で理不尽を殺して
生きてる振り生きてる振りを
続けなければならないならば
実らないままに終わる幸福を
手にした予感に一時恍惚して
それきりで閉じてしまいたい
閉じてしまいたかった
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