太宰の孫/マチムラ
 
あらゆる行動の最小公約数に
自分が残らないようにすることで
望んでやっているわけではないと
いつもいつも自分に
使い古した免罪符を渡し続けているのだ

そんな自分の発明した錬金術を使い続けることで
ますます自己嫌悪が募るわけだが
現実圧でくらくらする頭の考えることは
手抜きをしながら皆の行進に遅れずついていく方法
次第に疲れて自分の手足でさえ
借り物のようになっていくことに
少しばかり安心している自分がいる

どこにも行けないのではない
どこにも行かないのだ
上手にマメの水抜きが出来るようになったら
出発するつもりだったが
そんな日は来ないことを知っている

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