月夜/春仙
僕は君の夢を見る
シーツにくるまった君の夢を
静寂とともに訪れる穏やかな時間と空間が見せるのは
幻想と想像と冒険の世界
僕は月の光を全身に浴びて
宇宙(そら)の夢を掻き集める
僕は君の夢を見る
涙にぬれた頬をさらす君の夢を
悲しみに包まれたままの現在(いま)を生きるには
あまりにも非情な現実
僕は傷だらけの心を抱きしめて
散らばった悲しみを掻き集める
僕は君の夢を見る
月夜に彷徨う沙漠の中の君の夢を
行く当てのない毎日の中で見つけたものは
生きることへの渇望
動き出した心の歪みを抱えたまま
僕は君の全てを抱きしめた
月夜に見る君の夢は
寂しくて切なくて 暖かい
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