朝の雨/朧月
 
雨はふってはいないけど
心の中でふっていた

あなたも
泣いていたのだろう

だれも傘をかせないほど
雨がふっていたのだろう

あなたにあいた
穴は私があけた
ほんとうにそれだけなら
どれだけ救われるだろう

朝の空は
なにか言いたげにはじまって
それは夜が始まる頃
私の足りないものとなって
また雨になる


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