いつか桜は散る/terada takeharu
桜は散ったけど
想い出は消えない
痛い記憶も甘い記憶も
抱えこんだまま
季節が過ぎていく
夏の葉桜の下で汗をかき
蝉の声に耳をすませ
誰かの視線を感じつつ
愛をやり直し
仕事もやり直し
いつか桜は咲いて散るだろう
太陽が昇っても
薄暗いまま
聖なる心と邪しまな心が君の中で交錯して
だんだん自分を見失う
秋の終わりの夜 桜の木を眺めながら
すべてを投げ出したくなった時
誰かの囁きが聞こえる
愛を新しく
哲学も新しく
いつか桜は咲いて散るだろう
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