鳥/るるりら
かもめは 死んだ人のこころの近くを飛ぼうとしている
生きた人の こころの近くをも飛ぼうとしている
嗚呼 雲間から 光が まっすぐに 何本も降りてきた
太陽は ふたつある 空と海に
かもめは ふたつから離れずに 飛んでいる
いずれは
空色栄えて 沖つ辺に
04 すずめ
すずめは時間によって声がちがう
わたしだって話すべきことが ちがうから
おはよう
たべようよ
あいしてるよ
すずめの言葉が解る気になった日
わたしはそれが ほんとうかは人にしか喋れない
けれど 人の言葉に溺れた日
掬ってくれるのは すずめのような
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