レイン・ソング/в+в
赤い匂い、甘い、淡い青
羅針盤の形に姿を変えて木陰で待ち伏せして忘れ去られる、雨蛙になれば此処に居る誰にも気付かれはしないさ
無音で、玄関を、出て行くからそれは確かに、希望によく似ている
被せたヴィニールに薄く塗られた、この紫は渚で失くした合い鍵が偽物だった証拠に違いないと言い続ける、隣部屋のあの大きな目をした若い魚が、嫌がる色
歩き出す、湖のほとり
確かに芽生えているから
確かに芽生えているんだ
そう、確かに芽生えているから、確かに芽生えているんだ
名残惜しそうに笑うテーブルで、煙突、関わらない筈なのに余計な傷、を付けた脳天気な青空
裏返り、指を指す惑星の確かな擬態に目を、伏せた枕木の温もり、七番目のアルファベットが猜疑心を偏向風に、乗せた憶測に突き刺さる
地平線、が消滅するまで、小さく閉じた傘の下で熱の大聖堂、焦げたビスケットを割って、二人で、食べよう
抑え切れない、抑え切れない、抑え切れない熱と膨らみに、
雨がガラス箱、がその、形を遠く、変えてゆくまで
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