琵琶湖疏水しだれ桜/灰泥軽茶
 
音もなく流れる疎水路に
しだれる桜

雨が降り風が吹き
もう間もなく散っていく

音もなく流れる桜の花びら
ゆっくりゆっくり流れてゆくから

一枚一枚数えながら
スローモーションのように

季節の美しさと儚さを
一枚一枚すくって
瓜実顔のあなたに並べていく

あぁ春の疾風
びゅうんびゅうんと
くるりくるりと桜の花びら
舞う舞う風の渦

あぁもう数えられないから
季節が過ぎていき
若い葉っぱの甘酸っぱい匂いがしてくる

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