琵琶湖疏水しだれ桜/
灰泥軽茶
音もなく流れる疎水路に
しだれる桜
雨が降り風が吹き
もう間もなく散っていく
音もなく流れる桜の花びら
ゆっくりゆっくり流れてゆくから
一枚一枚数えながら
スローモーションのように
季節の美しさと儚さを
一枚一枚すくって
瓜実顔のあなたに並べていく
あぁ春の疾風
びゅうんびゅうんと
くるりくるりと桜の花びら
舞う舞う風の渦
あぁもう数えられないから
季節が過ぎていき
若い葉っぱの甘酸っぱい匂いがしてくる
戻る
編
削
Point
(8)