サクラソウ/まーつん
 
相変わらず、生きている

でも
それでいいのだ

それが いいのだ

絶望と戯れるには 人生は短すぎる

真実から目をそらすには 人生は貴重すぎる

街人の手で 世話をされたサクラソウが
団地の花壇で 笑っている

朝 あわただしくスーツを着込み カバンを下げて
階段を降りてきた僕の目に
飛び込んでくる そのピンク色

サクラソウ
お前が好きだ

そう言えるようになった
自分も好きだ

生きている
そのことがうれしい

見上げれば 空の微笑み
日差しと共に 可能性が降ってくる

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