distance/
フクスケ
見えなくなるほど
すぐ傍にいるのに
いないのだ いつも
散り始めた
桜の花びらの下を
通り過ぎた時
いないはずの
梅の香りと
すれ違う
不意の挨拶の
仄かな風が吹いて
見えない後ろ姿を
見送りながら
緩慢に
傾き始める
地平
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