あきらめて止まらず/加藤
決心する日は 誰かや何かのためではない
不安な毎日は 続かない方がいい
毎日を退屈に過ごせるようにと祈っていた
道の終わりはどうせどうせ知れない
ここにいることに 証拠もないけれど
血や呼吸や時間は せめてもの実体
体に走る鼓動を かみしめる意識があるだけ幸せだろう
隠れた思いは 言葉に顔に 表れては消え
コートはタンスにしまって
春色の絵の具をぬりたくる部屋に また花が咲く
季節の中 あやふやに きれいなまま ヒラヒラとさまよう
澄んだ気持ちがもしもまだ忘れずに
恥ずかしさもなく残っているのなら
悲しさも声も出ず一緒に思えるのなら
私が好きなのはきっと生きることそのもの
このままの形にとどめて 思い続けて さまよおう
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