rapid/ねことら
 







窓の外に、まだ芯の冷たそうなピンクの桜がみえた。にちようの朝。無痛麻酔のピストルにうちぬかれて、やさしい気分になってしまう。

単純な手続きのセックスばかり、繰り返してさ。80点オーバーしたらオーケー、よく合格できました。みたいな。でも褒美はないんだよね。隣できみはすやすやねむってて。下着はベッドから落ちてゴミみたいにみえた。

しん、としずまった部屋の死骸の一部のようになってるカバンからデジカメを取り出し、意図なくきみや窓の外の桜やなんやかやを撮ってみた。クリスタルガイザーの飲みかけ。電池の切れた目覚まし。軽薄な春の青空。

わーって叫んだって、どうしたっ
[次のページ]
戻る   Point(6)