萩尾望都私論その4 十年目のスペースストリート/佐々宝砂
 
リート』と同時期に発表されたSFではない小品『十年目の毬絵』(1977.3)で、萩尾望都ははっきりと時の流れを描いた。このマンガは現実のドラマを描いているので、完全体や両性具有者は登場しない。もしかしたらけっこう普通にありそうな、三角関係の男・男・女の組み合わせの物語が描かれているのみである。三人で学生生活を送っていたとき、彼等はうつくしいサークルをつくりあげ、輝いていた。しかし彼等が二人と一人になったとき、その輝きは崩れ去る。彼等は三人でなくてはならなかったのだ。

なぜ? という問いに対する答は、まだ保留せざるを得ない。

なので当然、まだ続く。
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