私信/HAL
突然 私信が来た
それはぼくが詠んだ詩に
ついての批評ではなく
その詩を契機に
その人物の思想・信条を元に
ぼくの思想・信条を問うものだった
一通目は言葉は荒いが論理的に
皇室に向けた思想・信条の批判だった
ぼくの祖国に向けた批判だった
返信を返した
送られてきた内容のぼくなりの
考え方を添えて
しかしまたも私信は批判を越えて
私信による議論になってしまった
ぼくの祖国の歴史と皇室は愚弄されていた
ぼくはきっとその人物は知らないのだろう
美智子皇后が『皇室は祈りでありたい』と
語られていたことは
次に送られてきた私信には
その人物の生い
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