きみらの贖罪/HAL
 

そして世界はさらに荒廃していきぼくらはきみらの
背中を見て反面教師として生きてくるものだけに
きみらが滅ぼした世界の再生と更新を託すだろう

愚かなる者よ傷つくのを怖れるだけの者たちよ
愛は貰えるものだと信じる者たちよ
きみらは寄り添っていると云う錯誤にいる者たちよ

孤独は大勢の人間の間にあると
喝破した哲学者の言葉は分かるか

どうせ老いたる者の戯れ言と
鼻で笑ってまたメールを打ちつづければ好い
どこかの馬鹿が何かほざいているとシカとすれば好い

その山になく街にある孤独のなかを
誰からも手は差し出されず独りぼっちで死へと向かえ
それこそがきみらにできる贖罪なのだから






※作者より
『孤独は大勢の人間にある』との一節は、正確には『孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の間にある。』と言われた京都哲学派の哲学者である三木清氏の言葉を許諾なく割愛し借用したものです。
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