ミュージック/yamadahifumi
 
川のほとりを僕は
歩いていく
世界は透明な薄く切り裂かれた布だった
それでも僕は独り
川のほとりをとぼとぼと歩いた

  鳥達は自らの生活を楽しむように
  彼らなりの水浴びを
  人間達もやはりそれぞれのやり方で
  ランニングをしていた

僕は川のほとりを独り
ランニングもせずに歩いた
僕は段々と透明になっていく世界の中を
一人、ミュージックを聴きながら歩いた

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