人はみな歌をもっている/天野茂典
れを歌ときづかない
歌手が自分であることに
きづかない
きづかないからいいのだが
高架線のホームから
遠い空を眺めていると
ぼくの耳には聞こえてくるのだ
あらゆる人のあらゆる歌が
それは一大音響となって
ぼくの三半規管を狂わせる
いい歌がいっぱいあるからだ
ぼくはウオークマンなどしているひまがない
草のようにゆれている
ヒップポップを
ラップを耳に
踊りだすのだ
人身事故の電車など
ホッポリだして
グルーブするのだ
おう、いえぃ!
★ (詩はその歌のサビの部分だ ね
2004・12・03
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