生/田園
いくら待っても
「死」はやってこない
実際には私は着実に「死」に向かっているのだが
まだ一向に見えない
私は日々
蔑まれ
軽蔑され
ののしられ生きている
赤ん坊のように母の姿を追う
頭の中で負の言葉が錯綜する
このまま殺してくれないか
このまま殺してくれないか
だがやはり「死」は遠い
鉄の味がする
さっきうなるのを我慢して唇をかんだから
うなったら私はこの家にいれなくなる
健常者のふりをしなくては
花束なんていらないの
賞賛なんていらないの
普通に生きていたいだけ
「死」を含んだまま私を謳歌したいだけ
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