赤い土のブルース/いねむり猫
乾いた あまりにも乾いた 土の臭い
おまえの骸は 葬られていく
墓を埋め戻す 赤い土は 大半を風が持ち去る
乾いた あまりにも乾いた 風が
一人残された 息子の髪を かき混ぜている
息子の心は すでに荒れ果てている
それでも 父親の墓の方向からそらして 唾を吐く
何も変わらないと知り尽くした 乾いた目で
父親の墓を囲む 無数の墓標を見渡している
粉々に砕けた赤い土が 風に舞いながら
焼けついた土地を 渡っていく
何者とも つながりのない この瞬間だけの ぶつ切りの 現れ
ただ ひりついたのどが 水を欲しがるような
時々思い
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