宇宙で最も無為なごみくず/
鈴木陽一レモン
曇天である 世界の空は
いずれの国
いずれの人
いずれの罪にも
均しく
寂しさが降り注いでいる
重々しく
曇天からは寂しさが降り注いでいる
宇宙で最も無為なごみくずと
身勝手に寄り添いたい吐瀉物
ふたりの上には
悲しみさえ 降ることはなく
ただ
ほこりだけをかぶっていた
こごえながら
くぐもった
気持ちのわるい こえ・・・
誰にとっても耐え難いほどのシロモノ・・・
吐瀉物は
祈るふりを、続けた。
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