一粒の私/
 
一粒の私を
順番に潰していく

一粒の私は
潰れるたびにまた現れる

一粒の私は
いつまでも一粒の私でいるつもりらしい





あの日
真っ逆さまに落ちていく景色の中で
言葉にできぬほど美しいものを見た
そんな気がするのだけれど




+

一粒の昨日が
潰されることもなく
淡々と増え続けている

少し
笑っている







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