狂犬の叫び/
yamadahifumi
遠く明け方の
足音がする今宵
お前の涙はまるで
夜をつんざく狂犬の叫び
人々の声は薄明に似て
全てを薄ぼんやりと包んで行き
"俺"と"俺"を剥離させ
やがて一個の他者へと還す・・・
それを不服だとは言わないが
せめて自分の尻を拭くくらいは
自分の手でやらせて欲しいものだ・・・
全てを他人にあずければ
即ちどれが"俺"かが分からなくなるから・・・
遠く明け方の
足音がする今宵
お前の涙はまるで
夜をつんざく狂犬の叫び
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