宜候/HAL
 
心も
憎しみも
悲しさも
悔しさも
切なさも
淋しさも
嬉しささえも
もうなにもない
去来するものも
なにひとつない
あるのはただ懐かしさだけ

さあ川を渡る舟が来る
船頭のいない舟が来る

さあ乗ろう
向うで待つ
多くのひとに逢うために
積もる話しをするために

死に瀕した白鳥の歌う歌は
最も美しいと言われるけど
終にその歌は聴けなかった

一隻の舟は
ゆっくりと向う岸へと
動きはじめる

宜候
宜候
宜候
宜候
宜候

独り乗りの舟はゆっくりと
向う岸へ近づいていく

宜候
宜候
宜候
宜候
宜候


(Thanks To Miss.M N&Mr.K S)
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