sekai-ken/めー
 
sekai-kan 
おっさんの射精みたいに 
希釈された 
sekai-ken 
ワイシャツの首絞める、 
感触 
世の中はきれいごとだ、っていう了解に 
意味もわからず袖を通す 
うなずかれたいわけではないが 
うなずかれないわけにはいかない 
においすらしない 
生 
読まれない日記帳に、 
読まれない文字で、 
読まれない詩情が、 
筆記される 
まだはじまらない呼吸を、 
しようとして 
間違って鳴った、口笛のような 
愛、もまだ読まれない 
世界-権
隣人の隣に腰を下ろして 
開く文庫本を、 
手遊びに読み続ける、 
読み続ける、 
に、 
窒息しそうな 
電車が今日も行く 
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