捧げられる命/いねむり猫
狭い廊下の両側に
小さく仕切られた病室が
葡萄の房にようにしがみついている
病室は 使い古された機械たちで埋まり
その中に 忘れられた老人たちが 横たわっている
薄いまぶたで目を覆い
毒々しいネオンのように
様々な数値を映し出す 機械たちに助けられながら
途切れ 途切れの 呼吸を続ける
時折 小走りする 看護婦の後姿
あるいは 医師の翻る 白衣だけが 視界をかすめる
機械たちの奇妙な警告音やブザー
老人たちの鼓動を数えるつぶやき
酸素や栄養剤、痛み止めを送り続ける 幾本ものチューブ
力のない咳き込み 大きなため息
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