生き方を透過する/かんな
 
誰かの影を追い求めて
それはいつしか自分であったりする
ことばの端数を持て余して
拙い告白を露呈する

わたしなど
と吐いてしまえば楽になる
(それは逃げることに等価して
涙を引いて生きることなど出来ない

恋という演算を
何度でも何度でも間違えることに
意味を見出す
間違えることが正しいかのように

法則は限りなく透明で
誰にでもわかるよう、
誰にでもわからないよう、できている
色めいたら何かがはじまる

季節を
時の流れを口にしないと
皿の底に取り残されたスープのように
存在は消失を免れない

花が咲いている
その道の途中で空を見上げれば月
ああ ただ
夜という事実に気づくようだ


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