白い太陽の こと/いねむり猫
嵐が近づく空に 何層もの薄いすじ雲
重なり合い 競い合って 東へと速度を上げている
早朝の太陽は、雲の向こう側で白い輪郭を見せて
ときおり 周囲の雲を 白銀に輝かせては また隠れている
昼間の月のように はかなく ただよう
白い太陽
じつは おまえも一つの星だったのだ
いつも激しく 命の根源として
揺るがない世界の中心
じつは
天空にまたたく はかない一つの星にすぎない こと
たった一つの星に すべてを依存して生きている
命のひとかけらである こと
嵐が近いと天気予報は警戒をよびかける
雲の流れも 嵐の大きさを示している
でも 地上でぼんやり
白い太陽のことを 思いやっている私は
雲たちよりも ゆっくりと 流れる時間の中で
雲の間から 時折背中に降り注ぐぬくもりを 密かに期待しながら
ただ 体が求めている 穏やかな散歩を続ける
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