蟻殺しのアリエッティー/和田カマリ
 
トゥルーパーに、全身を麻痺させられた僕は、起きて奴らを振り払う、気力すらも萎えてしまっていたのです。

 するとその時、「キシャー。」と物凄い奇声を発しながら、蟻達を次々に屠る者が現れました。真っ裸の女の妖精でした。手のひらサイズの彼女は、蟻を殺しては食い、食っては殺し始めたのです。腰まで伸びた三つ編みの一本お下げは、良く見ると干乾びた小動物の大腸でした。きっと、何時でも味わえるようにと、自らの髪の毛にエクステしていたのでしょう。

 美しい顔に蟻酸を浴びて、モアモアと煙を放ちながらも、殺戮の手を緩めなかった彼女。これには流石の軍団も撤退を余儀なくされ、嘘のように部屋からいなくなってしまっ
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