ぼくの宝物/ジュリエット
 


ぼくの宝物は
きみがくれた
定規のかけら

いま思えば
あんながらくた
もらってなにがうれしかったのか

ずっと見ていた
となりの席のきみ
席替えでとなりになって
思わず赤くなる顔を必死に隠した

話しかけられるたびに
心臓がはねるように脈を打って
頭の中はきみでいっぱい
先生の言葉は呪文のように
耳をかすめて通りすぎた

席替えの日
きみが渡してきた
割れた定規のかけら

強がって
いらないよ
なんて顔をそむけたけど

むりやりにぼくの手にねじ込まれたかけらを
しぶしぶ受け取ったフリをして

心の中では
飛び跳ねたいくらいにうれしかった


ぼくの宝物は
きみがくれた
定規のかけら

今も心の中で
ぼくを守ってくれるよ



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