最後の酒/yamadahifumi
死人達が世界に溢れ返って
世界は窒息しかかっていた
一つの花を踏み、虐げる事を
「人権」と心得た奴ばかり
俺の魂もやがては科学に解明され
自動記述の機械になるという有り様
どいつもこいつも次のように主張する
「人間には、人間でない奴が張りついていて
そいつが人間の本体なのだ」と
そう言っている連中の嬉々とした表情が俺には堪らない
奴らは魂を失う事を誇りとしていて
自らを機械にさせる事を願いとしている
ああ、俺はもうやり切れないから
最後の酒を飲んで眠ってしまうこととしよう
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