君が在るということ/宮岡絵美
 
雲雀の脳の構造を思う 私と似て非なるばかりの)
空の遠くで鳴いていた雲雀がほんの数秒間で
目の前を過ぎていくまでに移動するのを
信じられない気持ちで眺める
その一瞬の心の動きの理由をとらえようとして
雲雀の動きを追っていたとき
視界の端にV字に隊列を組んだ鳥(種はわからない)が
羽ばたき飛び去るのが見えた
私はまたその一群れに魅かれた
(人の興味の在り方にパターンがあるとしたら)

苦しいからうたうというのをやめてみようか
もうどうしようもなく生きているのがもうどうしようも
なく苦しい苦しいからうたう私なのだけれど
(その向こうには何があるのか知りたくはなかったか)

遥かな空の青
その一瞬のきらめきの為にうたってみようか
(それは白く閃光を放つ両翼である)

遠くを見つめるイメージのまま目を瞑れば
君はいるのだから
確かに君はこの世界に

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