君が在るということ/宮岡絵美
 
短い詩をうたったのに満たされないのは
私の謎のせい
その謎は確かに
暮らしにまみれた泥の底で
息切れしそうに脈打ってあるのだけれど
同時に広がる外の世界にも
存在として在る気がするのです
(そうだね、と君は少し肩をすくめた)

小さな子どもが泣いている
(それは感情の睦び合い、なのだ)
君は囁く風の名を知っているだろうか
(もう偶像にしてしまおうよ
その方がどれだけ楽だか知れやしない)

瞬くひかりを
あの人に、あの人に

一羽の雲雀が急降下する
その一瞬のダイナミクスに魅かれて涙がでる
(脳の原始的な部分が雲雀の動きと
相対しあっているのだろうか
雲雀
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