余計でもない一雫/subaru★
 
二〇一二年の一雫が
左肩に落ちる

乾いた肩が ほら笑った
指で払った雫が
隣の肩にかかる

右肩の笑みが増す
隣の肩が羨ましげに
指をくわえる

余計でもない一雫が
転々と分け合い 移りゆく
笑みが増して更に増して

余計でもない
二〇一二年の欠片が
乾いた隙間に収まる

その潤いが擽(くすぐ)ったくて
心地良いと乾いた肩が
ほら 笑ったよ
戻る   Point(11)