ろくぶての行方/灰泥軽茶
 
川のほとりの

裸の枝の先に片方だけ

手袋がいろとりどり

沢山刺さっている

風が吹くといっせいに

手を振っていて

どこかで探している持ち主に

さようならと別れを惜しんでいるのか

こちらですよと見つけてほしくて呼んでいるのか

ひらひら

ひらひら

なんだか生き物のようなてぶくろだ

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