島嶼/HAL
島がある
蒼い海原に
点々と島がある
島たちは他の島が遠いため
どの島も自分たちを
孤島と思い込んでいる
ほんとうは
島たちは遠い昔
みな同じ陸であったのに
それを忘れ去り
波間に垣間見える
他の島を眺め続ける
いつかあの島に
近づくことは
できないかと思いながら
長い月日のなかで
互いに荒波に浸食され
いつか海に沈んでいくとき
島はやっと気がつく
あの島ともこの島とも
つながっていたんだと
どの島も
孤島では
なかったんだと
そして母なる大地とさえ
つながっていたんだと
ようやくに気がつく
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