雨の日/こういった
雨上がりの静寂に
何かを期待して
息を潜めた僕らを
逆上がりした後の街
何かが変化して
醜くなっていた僕らを
隠すように差した傘
を
右手に持つ君は
居心地悪そうに笑う
高速道路に架かる電飾
光っては消える
もうすぐ
視界の端から見えなくなって
何もない水曜日を
手渡し合う一日が始まるね
僕は不完全に思い出主義だから
君の街まで行けないよ
大切な一瞬が
溶けてしまわぬように
滲んでしまわぬように
背中合わせで泣いたら
さよならだね
雨上がりの静寂に
何かを期待して
息を潜めた僕を
隠すように降りた幕
の
外側で脚本にない悲劇を
君が待ってる
戻る 編 削 Point(1)