雨の日/こういった
 

雨上がりの静寂に
何かを期待して
息を潜めた僕らを

逆上がりした後の街
何かが変化して
醜くなっていた僕らを

隠すように差した傘


右手に持つ君は
居心地悪そうに笑う


高速道路に架かる電飾
光っては消える
もうすぐ
視界の端から見えなくなって
何もない水曜日を
手渡し合う一日が始まるね

僕は不完全に思い出主義だから
君の街まで行けないよ

大切な一瞬が
溶けてしまわぬように
滲んでしまわぬように

背中合わせで泣いたら
さよならだね


雨上がりの静寂に
何かを期待して
息を潜めた僕を

隠すように降りた幕


外側で脚本にない悲劇を
君が待ってる




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