七次元目のチャイム/しもつき七
{引用=
最近のまぼろしって精巧だから、きっときみを欺きます。
友だちや恋人がある日突然、人造人間にされても気付かない。
体育終わって空見上げる女の子、おでこのナンバリングに汗が垂れ
ている。斜向かいの彼女もこっそり配線を束ねてる。なんにもない
わたしだった。西日さす教室で、国家機密にぎって、知らないふり
でスカートたくしあげて笑う。夕立の匂いがしてる。
戦略はない。戦うだけ。ノートのすみの怪獣みたいに、学校に火を
吐くよ。 わたしの架空はわたしだけの、共有できないもの。そうい
うことだから、ほんとうに燃えるわけはない、ただわたしたち熱い
日々のなかに立
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