岬の灯台/灰泥軽茶
 
岬の灯台を思い出す

なんて寂しくて
綺麗な姿なんだろうか

ここら辺ぐらいから
眺めると
すっぽりと
体が灯台に隠れて
私は白いのっぽな灯台だ

私は心の灯りをボッと
あかあかと燃やして
誰かの帰りを待っているのだろうか

此処に居ることは
もしかしたら
間違いじゃないなかろうかと
ずっと住み慣れた街をぐるりと眺め

「おぉい早く帰っておいでよぅ」

と大きな声で叫んでみる

戻る   Point(1)