光の糸/灰泥軽茶
四つん這いになって
藪の中を奥へ奥へ這っていくと
少し先に光り輝く
ひらけたような場所から
たくさんの子供たちの楽しそうな声がする
私は小枝やとげとげした葉に
擦り傷切り傷つけながら
かまわず突進していくと
ズドドドドっと藪を抜け
光の渦に体を包まれた
私に驚いたのか
子供たちは一斉に
蜘蛛の子を散らすように居なくなった
私はだんだん眩しさに目が慣れていき
うっすら広場を眺めるいくと
大きな光り輝く黒い石の上に向かって
空から滑らかな光の糸がゆっくり
螺旋を描きながら垂れてきており
ひとり子供が気づかずに
人さし指でひょいひょい絡めてすくって
舐
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