金魚とメランコリー/
青井とり
目をあけたら白い朝
ぼんやりした頭
カーテンはゆらゆらと
金魚みたいね
鳴らない電話に
突きはなされた気がして
わたし毛布から出られない明日からどこへゆこう
コーヒーはもう要らない
眠る時間だもの
「おやすみなさい」
わたしは金魚にささやく
もうすべて要らない
どこへもゆかないから
だって もう
手遅れだわ
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