ぼくの足跡/寒雪
最初に見上げた時に見えた
生白い顔を曝け出した満月は
何度目の化粧を施したのか
もはやわからないくらい
ぼくの頭上を通り過ぎてた
その透き通った悲しい光の下を
ぼくは歩いている
最初に定めたはずの目的地は
ぼくの脳内ですっかり迷子に
探し出せないことを自覚しつつも
掴める物があることだけを
心に押し留めて
ただ懸命に歩き続けた
最初に認めた時に見えた
掠れて見辛くなった足跡は
激しい雷雨に襲われたり
舞い上がる砂塵に埋もれたり
繰り返し繰り返し
苦難に遭いながらもそれでも
消えることもなく
むしろ時を経ていくうちに
はっきりと鮮やかに
僕の網膜に
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