淋しいお嬢さん/HAL
訪れるひともないわよ
迎えてくれるひともないわよ
まるで淋しいお嬢さんのようだと歌うひともいるわ
もちろん路地で生きていく方法なんて
大嫌いな寄宿舎生活の学校で
教えてくれなかったわ
でもわたしは知っているの
どうしたら路地で生きていけるかを
もちろん蔑まれるし
汚い言葉で罵られることもあるけど
そんなことには馴れるものよ
でもね
路地で暮らし始めて
初めて気がついたの
綺麗な洋服を着て
自分のために開かれた高級車のドアから降りてくる
ひとだって同じだと
ただ気がついているか気がついていないかの違いよ
そんなひとたちも
孤独感に蝕まれて
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