眠らない街の眠らない人々/ブライアン
を後ろの扉から乗せた。ぎりぎりまで乗ると、外にいるバス会社の人に限界であることを告げる。バス会社の人は乗車を希望する人に、次のバスに乗ってください、と告げる。ようやくバスは出発した。若い3人組の男性が走り出したバスに駆け寄ってくる。おそらく大学生だろう。彼らはゆっくりと走り始めたバスの扉を強くたたいた。運転手は扉を開ける。次のバスに乗って、と強い口調で諭す。
真っ暗な街だ。バスから人の群れが光の消えた街へと散り散りになる。バスの発射する音が聞こえる。街は眠っていた。けれど人は眠らない。国道246号線には車が行き交っていた。車のランプが連なり、道を照らしている。バスから降りた人はタクシーを捕
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