エスケープ/こういった
無限に逃げ続けられるだろうか
螺旋階段を下る夢
最下層で光を浴びる誰かを
必死で呼んでいた
君が泣いていた日
「心に空いた穴が塞がらない。」
僕は左手で
君にネジを押し込んだ
有限の消耗品である認識から
逃げ続けられるだろうか
擦り切れそうな不安を
電球に翳して
肋骨に仕舞ったら
それで不眠症も
治った気に なったよ
偶然の幸福に心臓の鍵を
手渡して日常を襲う悲劇から
逃げ続けられるだろうか
白昼夢を詰め込んだ音楽に
耳を傾けている僕は
現実から
逃げ続けられるだろうか
溢れる言葉と想像で
縫い繋いだ希望と共に
逃げ続けられるだろうか
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