手が汚れては本が読めない/あおば
坐ってゆける電車に乗るつもりであったのだが・・
わずか10秒から30秒間のストレッチに耐えられず
エスカレーターに乗せられて
地下鉄のホームに辿り着き
発車間際に飛び乗れて
満員の肩越しに新宿駅通過を恨めしげに眺め
西へ向かって疾走する電車に身を竦め
手探りでバックの隅から雛アラレを摘み出し
音を立てないようにもぐもぐしながら午後6時の指針を確認し
過敏という言葉を噛み殺し
平成から平静、平安から平常というようなデーター圧縮する際の
量子化雑音を黙視する危険性をも検知するセンサーを一気に呑み込んだ
また太るねというセリフにも聞き飽きたので・・
「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作 タイトルは、クローバーさん
戻る 編 削 Point(7)